生活習慣病の治療について
1〜2kgくらい太ったかも、と思いながら、毎年体重が増えている。
健康診断で周りのみんなも同じことを言われているし、大丈夫だろう。
病気のリスクは聞いたことがあっても、自分には関係ないかな。
そんなあなたでも、注意が必要です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝など、食べ過ぎや運動不足が原因で起こる病気を「生活習慣病」と呼びます。こうした病気は自覚症状がほとんどないため、そのまま放置してしまう方が多いようです。しかし、生活習慣病を放置すると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中など重大な病気につながりかねません。生活習慣病の一つである脂肪肝が肝硬変、そして肝臓がんへと進展する方もいますし、糖尿病があるだけで、多くのがんに罹患するリスクが高まることも近年の研究でわかってきました。重大な病気を防ぐために、一緒に生活習慣の改善をめざしましょう。
「仕事のストレスでつい食べ過ぎてしまう」
「節制しなきゃと思っているけど、なかなか食生活が変えられない」
「運動するよう意識してはいるものの、どうも続かず……」
通院しながら、地道に改善していきましょう!
当院では原則月1回の受診をお願いしています。生活習慣の改善はなかなか大変ですが、ひと月ごとに気持ちを引き締めることが、地道な努力を継続する助けになると思うからです。そこでは薬を処方するだけでなく、検査で改善の度合いを計ったりアドバイスをいたします。生活習慣病にはいくつかタイプがありますが、特にメタボ気味の方には、具体的なカロリー計算に基づいた食生活のアドバイスを行うよう心がけています。明らかに肥満の方はもちろんですが、毎年1~2kgずつ体重が増えているような方も要注意。お気軽にご相談ください。
年に一度の健康診断は健康管理の基本です。個人で受ける任意の健康診断、会社が従業員に受けさせる定期健診の両方とも、当院で受診が可能です。
かかりつけの医院で毎年検査を受けることにより、受診者の体重の推移など、医院側も検査結果を過去と比較し、より立体的に把握することができます。「時間がかかってめんどう」「忙しくて受けそびれてしまった」ということもあると思いますが、年に一度自分の健康を見直す良い機会として、かかりつけ医院での受診をおすすめします。
甘い物やお酒を控えるというだけでなく、自分自身に適した摂取カロリーを知ることが大事です。1日の必要摂取カロリーの目安は、年齢、身長、体重、身体の活動レベルがわかれば計算できます。例えば、身長170cm、体重75kgでデスクワークの方なら、運動など身体活動も少ないと思われるので1日に体重1㎏あたり25kcal、合計1875kcalが必要となります。標準体重をめざすなら1日あたり1600kcal、カレーライスにして2皿分で十分です。それを知れたら少し意識が変わるのではないでしょうか。
運動だけで体重を落とすのは、実はかなり難しいこと。体重60kgの人が1時間歩いて消費するエネルギーは約160kcalといわれており、1食分の半分にも及びません。そのため体重を落とすときは、食事療法との併用をお勧めします。しかし、運動はカロリーを消費するだけでなく、血糖値の上昇を抑制する効果も期待できます。筋肉量増加、心肺機能向上、骨を刺激して骨密度を高めるなどの効果もあるとされ、いつまでも活発に動ける健康な体づくりのためには、運動する習慣が大事だといえるのです。